なぜ手作業にこだわるのか 甲手編③
2021.03.31
なぜ手作業にこだわるのか
甲手編③
手の内のつけ下げをした後、縁を纏っていきます。
⑩の写真を見てもらうとわかると思いますが、かなり丸くなってくるので縁付けも纏りも技術と手間を要します。
甲手頭ができたら甲手布団(肘)をつけて完成です。布団の取り付けについては度々書いている(?)ので今回は省略します。
これで甲手の完成ですが、12の写真で黄色の部分だけは甲手布団を袋状にする時にミシンを使っています。後は全て手作業です。
結構手間がかかりますが、問題は価格にどう反映するかです。
剣道連盟を中心に剣道普及発展の為に剣道具を安くという方針で剣道界としていままできましたが、日本の剣道具作りの環境保全は一向に考えられずにきました。現在剣道具の価格は日本では作り難い価格になっています。埼玉県の最低賃金を考えると技術料をのせることは難しいのが現状です。これは次代の人材を育成する事が難しい業界である事だと考えます。
剣道具作りに関わる環境(革、漆、藍染等)が剣道文化の一部としてどうやったら認められるのか、交流・意見交換・情報発信を少しずつ増やしていけたらと考えています。機会がありましたら交流等(追い込まない程度に)よろしくお願いいたします。