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剣道具について考える 剣道具の役割の変化
2022.09.29

noteでも記事を書いています。よかったら読んでください。

剣道具について考える 剣道具の役割の変化

ウメケン(梅澤広将)

 

大雑把にいうと簡単な和装をして、竹刀を持って、面・甲手・胴・垂をつけてやるのが剣道である。つまり剣道に必要な物は、衣装・竹刀・剣道具(面・甲手・胴・垂)である。

ここで剣道具の成り立ちと役割について考えてみる。

剣道は剣術を源としている。竹刀や剣道具が発明される前は型稽古が中心であり、実際に技量を確認する方法はなかった。使われたのは刃引きや木刀であり一歩間違えば命に関わるからである。

そこで竹刀や剣道具が発明され、命を落とすことなく安全に技量を試す試合ができるようになった。

ただそこに落とし穴があった。剣術(刀法)が身近にあったときはよかったが、剣道具を付けることが当たり前になると剣道家の意識も変わっていった。

刀法の技量を確認するための試合が、試合は技量を高めていく方法論となり、さらに試合に勝つことが目標になってしまった。

それに伴い道具も役割を変えていった。技量を確認するための道具から試合をやるための道具、試合に勝つための道具となっていった。

実際に起こった事をあげれば、剣道普及発展の為の安価な剣道具の供給、打たれない為に甲手布団を短くする、竹刀の先を削って細くするなどになる。

剣術修行の欠けていた部分を補う為に発明された剣道具が、剣術と剣道をまるで違うものにしてしまった。

ただ本来剣道具は、剣術のより良い発展のために発明されたものである。いつか再び剣術と剣道が近づいた時の為に、その想いを受け継いだものを残していかなければならない。

そして、剣道からも剣術への歩み寄りがある事を願う。