甲手について考える(1)
2020.04.28
最近気になっている(最近と言ってもここ2年程ですが)甲手の形の変化について書きます。
上から見た写真ですが、上側にあるのがここ数年主流となっている形です。(下は当店オリジナル甲手で、昔ながらの形で作っています。)
わかりやすいように黄色の線を引いてみました。今の形は甲手頭が手の甲側に反っています。竹刀を上から握れると言われていますが手首が入りすぎてしまいます。
左側が最近の甲手の形です。親指側が真っすぐで小指側に角度がついています。本来は親指側に角度がついて小指側が真っすぐであるのが自然体になります。親指側が真っすぐになっていると、始めから打ち手になってしまい、打つ時に突き手に押し込むか1度手首を戻してから打たなければいけなくなります。
扱う側も剣道家もあまり気にしないような小さな変化ですが、剣道にとって小さくない影響があります。剣道のためにももっと全日本剣道連盟を始め剣道具の研究を進めてもらいたいと思っています。
特に右肘を痛めていたり、右手の力がなかなか抜けない剣士には自分の普段使っている甲手を見直す事をお勧めします。もしかしたら改善のヒントがあるかもしれませんよ。